「ね、私、妊娠したみたい。あなた、パパになるんだよ」
「え、ほんとに！？」
「なーんてね、嘘」
「おい、しょうもない嘘つくなよ。先月は忙しくて、お前としたの１回だけだったし、それも安全日の期間だったから変だとは思ったけど」
「あ、妊娠したのは嘘じゃないよ。ただ、パパはあなたじゃない、ってだけ」
「ええっ！！」
「先月ね、なんだかナマで欲しくなっちゃって、ゴムしないでもらったの。外に出してもらったんだけど、危険日の時期だったからなあ」
「うわー、ほんとかよ」
驚き、嫁の顔を覗きこむ俺。が、嫁は「プッ」と吹き出すと、
「嘘。全部嘘。妊娠なんてしてないよ。……私はほんとは嫌なのに、あなたを喜ばすために他の男に抱かれてるんだもん。これくらいの悪戯させてもらわなきゃ。えへへ」
と言って抱きついてきた。

嫁よ、あんまおどかすなよ……。でも、嫁が他の男の子を孕んだと聞いて一瞬ときめいたりした俺でもあったんだけどね。