738 名前:ははこん! ◆owtmEA7yWo 投稿日:2012/02/16(木) 17:42:00.14 ID:p3USfi3N 
思い付きで短編を書いてしまったので、投下します。
適当な設定、エロは皆無、皆さんの脳内補完だけに頼った作品ですw
すみません。


739 名前:ははこん! ◆owtmEA7yWo 投稿日:2012/02/16(木) 17:42:34.68 ID:p3USfi3N 
(一)
緑の草原に建つ白いチャペルの鐘が高らかに響き渡った。
俺の左腕に自分の右手を通している母さんの身体が、緊張に強張ったようだった。
俺はまた複雑な感情に包まれたが、ここまで来て、いまさらどうすることも出来ない。
そう。これは、アイツと母の選択なのだから。

「結婚行進曲」が流れ出し、チャペルの扉がゆっくりと厳かに開いていく。
教会の中の来賓たちが一斉に立ち上がり、こちらを振り向く気配がした。
「…優ちゃん」
母さんが小声で俺を呼んだ。俺は母さんに目を向ける。
純白のウエディングドレスに、身を包んだ母さんを。
母さんの顔は清らかな白いレースに覆われていて、表情は読み取りにくい。
だが、その身体が小刻みに震えているのが分かった。
もう38歳になるのに、そんな母さんは純潔のままで結婚式を迎えた処女のように初々しく、
綺麗で、そして、どうしようもなく可愛かった。俺が知らない母さんだった。

俺が6歳の時に父さん死んだ後、俺を今まで、たった独りで育ててくれた母さん。
優しさと強さで、いつも俺を包んでくれていた母さん。
そう思うと、俺の胸にまた、どうしようもない嫉妬の感情が湧き上がってきた。
でも、俺はこの女性の息子として、今はこの結婚式を無事に進めなくてはならない。
「…行くよ。母さん」
俺はそう言って、チャペルの中に一歩を踏み出した。
俺の腕に掴まったまま、母さんも静かに歩き出す。
──父さん。天国から見てるかい?
俺は、母さんを連れて、今からバージンロードを歩いて行くよ。
大好きな母さんが、アイツの妻になるのを見届けるために。


740 名前:ははこん! ◆owtmEA7yWo 投稿日:2012/02/16(木) 17:43:06.99 ID:p3USfi3N
(二)
ほおぉ…というような溜め息が来賓の間を流れた。
そりゃあそうだ、と俺は思う。
母さんがどれだけ綺麗な女性か、一番知っているのは俺なのだ。
23年間、母さんより綺麗で素敵な女性に出会ったことはない。マザコンだよな、俺も。
同時に、来賓の多くが、俺たちに好奇の視線を向けていることも分かっている。
15も年下の男に嫁ぐ、38歳の未亡人。
息子と同い年の男に嫁ぐ、38歳の母親。
なんて恥知らずな女だという空気が、アイツの親類側にあるのも知っている。
でもな。最初に母さんに惚れたのは、アイツの方なんだ。
今では、母さんが──アイツに、心も身体も捧げてしまっているとしても。
そんなことを思いながら、俺はゆっくりと母さんを先導して歩いていく。
「結婚行進曲」の音量が、一段盛り上がった。
俺は前方を見据えた。
恰幅が良く、金色の髭を蓄えた神父が、祭壇の中央に立っていた。
そして、そのすぐ傍にアイツが──待っている。
俺と、そして今から自分の妻となる女性が歩いてくるのを、
アイツは、満足げに見つめていた。


741 名前:ははこん! ◆owtmEA7yWo 投稿日:2012/02/16(木) 17:44:05.42 ID:p3USfi3N 
(三)
出来れば、永遠にこのバージンロードを歩いていたかった。
あの祭壇まで行き着けば、母さんはもう、俺だけの母さんではなくなってしまうのだから。
アイツを夫として愛し、尽くし、アイツのために食事を作り、家の掃除をし。
そして──夜はアイツに抱かれ。アイツの子を産む女に、なってしまう。
父さん。父さんはどんな思いで、この光景を見ているんだい?
俺は頑張っているけれど、やっぱり、辛いよ。
あと2メートル。俺の足はそこで、勝手に止まってしまった。
5秒…10秒…
立ち竦んだままの俺。来賓たちの興味深い視線が、突き刺さってくる。
このままじゃまずい。そう思うが、でも、俺の脚は動かなかった。
「優ちゃん」
そんな俺を、母の声が引き戻した。小さいが、はっきりとした声だった。
いつも俺を守ってくれた母さんの、優しい声だった。
「優ちゃん。母さんを──連れていって」
ふうっ…と俺は大きな息を吐いた。そうだ。もう覚悟していたはずだ。
母さんの幸せのために、俺がしてやれることは、もうひとつしかないのだから。


742 名前:ははこん! ◆owtmEA7yWo 投稿日:2012/02/16(木) 17:45:35.54 ID:p3USfi3N
(四)
あの日。泣きながら俺に土下座した母さんを思い出す。
「優ちゃん、ごめんね。ごめんなさい」
俺の知らない間に、母さんは、アイツの女にされていた。
よりによって、中学時代に俺をイジメ抜いて、自殺まがいのことまでさせた、アイツの。

「今はそんな人じゃないの」
母さんはそう言った。大学を卒業して、それなりに名の知られた食品メーカーに勤め始めた
アイツは、もう昔のような卑怯な男じゃない、と。
──熟女と、アブノーマルなSEXが大好物!熟女キラー目指します!
中学の卒業文集にアイツがふざけて書こうとして、担任教師からお目玉を食らったのは有名な話だ。
土下座をする母さんの前で、そのことは、思い出したくなかった。
「最初は、ちょっとお茶に誘われただけだったの」
土下座したまま、母さんは話を続けた。
あの頃は本当に申し訳なかったっす、とアイツは頭を下げたのだという。
俺も就職し、母さんと離れた土地で暮らし始めていた。
「だから、母さんもちょっと寂しかったのかも知れない。ごめんね、優ちゃん。でも」
駅前の地元デパートで働く母の所へ、アイツはちょくちょく顔を見せるようになった。
お茶が食事になり、次は映画でも、となり──
そして、アイツが母さんだけの我が家へ足を踏み入れるまで、さほど時間は掛からなかった。
男と女の関係に成ったのは、そのあとすぐだろう。
“熟女と、アブノーマルなSEXが大好物!”
中学時代からそんな破廉恥なことを考える男に、母さんは、どんなふうに抱かれたのだろう。
今も、どんなふうに、抱かれているのだろう。
想像もつかないし、想像など、したくもない。
「でも、母さん──あの人が好き。愛してるの」


743 名前:ははこん! ◆owtmEA7yWo 投稿日:2012/02/16(木) 17:46:17.97 ID:p3USfi3N 
(五)
俺は、最後の一足を踏み出した。祭壇の上へと。
母さんは俺のすぐ後について、同じように祭壇へと上がった。
アイツがこちらへ一歩を踏み出した。俺と視線が合う。
「優一、ごくろうさん」
アイツ──恭司は言った。それから
「──夏江。おいで」
母さんを、当たり前のように呼び捨てにする。
それから恭司は母さんの方へ、手を差し出した。
レース越しに、母さんは俺を一度見つめた。俺は…母さんを見ることが出来ない。
「優ちゃん。…ありがとう」
母さんの右腕が、俺の左腕からするりと離れていく。
そして、母さんはそのまま、その手を恭司に向かって捧げていった。
恭司が、満足そうに笑いかける。
レースの奥の母さんは…同じように、恭司を見つめて、微笑んだのだろうか。
恭司が、母さんの耳元に口を寄せ、何ごとかを囁いた。
何だったのか、母さんのレースが、ふわり、と恥らうように揺らいだ。
昔から、自信満々のヤツだった。自分の思い通りにならないことはないというような。
母さんのことも、最初から最後まで、そうだったのだろう。
自分の思いのままにこの男は、俺の母さんを奪い、我が物にしていったのだ。
「──新郎、荒木恭司、新婦、夏江」
俺のそんな思いを打ち破るように、神父の良く通る声が、チャペル内に響き渡った。
「これより、おふたりの神聖なる愛の儀式を執り行います」


744 名前:ははこん! ◆owtmEA7yWo 投稿日:2012/02/16(木) 17:47:40.24 ID:p3USfi3N 
(六)
「新郎新婦は、出会いから今日の日まで、ともに試練を乗り越え、愛を育んできました」
神父は厳かな中にも穏やかな笑みを湛えながら続けた。
(──良く知りもせずに、勝手なことを言えたもんだ。)
俺はつい胸のうちでそう呟いてしまう。
「それでは、新郎新婦に誓約をしていただきます。新郎、恭司」
神父は並んで立つ恭司と母に向き直った。
「汝この女子を娶り、その健やかなる時も、病める時もこれを愛し、これを敬い、これを慰め、
これを助け、その命の限り 固く節操を守らんことを誓うか」
「誓います」
泰輔は満足そうな表情を浮かべ、即座にそう言った。
「新婦、夏江」
今度は、神父が母さんの方を向いて、厳かに続ける。
「汝この男子に嫁ぎ、神の定めに従いて夫婦とならんとす」
恭司が頭を動かし、隣に立つ母さんの横顔を盗み見る。
「…汝、その健やかなる時も、病める時も、これを愛し」
「これを敬い、これを慰め、これを助け」
神父の張りのある言葉のひとつひとつが、俺の胸には鋭く突き刺さる。
「その命の限り、固く節操を守らんことを誓うか」
チャペルに、ほんの一瞬の静寂が流れた。それから、

「──誓います」

母さんの声が、来賓全員に聞こえるように、小さいが、はっきりと響いた。


745 名前:ははこん! ◆owtmEA7yWo 投稿日:2012/02/16(木) 17:48:50.50 ID:p3USfi3N
(七)
ヒューッ!と誰かが口笛を吹いた。同時に拍手が起こった。
それは、ふたりに対する祝福というよりは、年上の魅力的な女を仕留めた男への礼賛だ。
「お二人の誓いの印として指輪の交換を行います」
神父は、準備していたとおりに、儀式を進めていく。
母さんが、恥らうようにおずおずと、左手を恭司に向けて捧げた。
恭司は神父から受け取ったゴールドのリングを、しっかりと母さんの薬指に嵌めていった。
そして、次に母さんが恭司の指へと、同じ一対のリングを通した。
「二人の誓いが永久に守られますように。皆様、黙祷願います」
会場に、しん、とした静寂が戻る。
「──結婚宣言を致します」
神父が言うと、申し合わせたように恭司と母さんは、チャペルの真正面を向き、並んで立った。
イエス・キリストの像がふたりを見下ろしている。
父さんも母さんも俺も、クリスチャンではない。我が家は浄土真宗の家系だった。
だが、母さんはクリスチャンの家系である恭司の言いつけに従い、洗礼を受けた。
マリア・ディ・ローザ。
それが母さんの洗礼名だという。
それは、恭司と母さんが、いつの日か同じ墓に入るということを示しているのだろう。
「荒木恭司と夏江とは、神の前において夫婦の誓約をなせり」
まるでその言葉を待っていたように、その時、ステンドグラスから、眩しい光が降り注いだ。
来賓たちが、神の粋なはからいに、小さくどよめいた。
「この男女の夫婦たることを宣言す。──それでは、誓いの口づけを」


746 名前:ははこん! ◆owtmEA7yWo 投稿日:2012/02/16(木) 17:50:41.81 ID:p3USfi3N 
(八)
神父に愛の誓いを促され、恭司と母が、ゆっくりと向き合った。
23歳の夫と、38歳の妻。
母さんはその事実をまだ恥じらうように、やや顔を下に向けたままだ。
だが、恭司は母さんの顔を覆っている純白のベールに遠慮なく手を掛け、覆いを取り去っていく。
母さんの顔が、ステンドグラスから射し込む光に、照らされた。
俺はその表情に驚き、一瞬で、魅入られていた。チャペルの全員がそうだっただろう。
これほど美しい女性を、俺は、見たことがない。
(──きれいだ)
喜びと、そして羞恥に、母さんの頬は薔薇色に上気し、夫と認めた男の顔を見あげていた。
母さんの、こんな少女のような表情を、これまで見たことはない。
だが、恭司は、見ているのだろう。いや、この表情だけではない。
俺が死ぬまで見ることのない母さんの表情を、恭司は知っている。
組み敷かれ、貫かれ、汗まみれになって喘ぎ、よがり声を吹きこぼす母さんの牝の表情すらも。
そしてこの瞬間、母さんの中に、俺はいないということが残酷なほどに分かった。
すぐ後ろに立っている俺のことを、母さんは、もう忘れていた。
母さんは、恭司によって埋め尽くされていた。
「夏江」
恭司の声が聞こえた。「愛してるぞ」
「…はい」
恭司はそのまま、母さんを微笑して見下ろしている。その続きがあるだろ?というふうに。
そして母さんは、若い夫の最初の命令に、忠実に従った。
「…私も…愛しています。──あなた」
恭司がにっこり笑い、指で母さんの顎を上げさせた。母さんは為すがままだった。
恭司の顔が近づき、母さんの唇を、ゆっくりと、奪った。
「…お二人は結ばれました。最後に皆さまで祝福を!」
神父がそう誘う声に、参列者はみな、祝福の拍手と口笛をもって応えた。
──さようなら、俺だけの、母さん。

これをもちまして、お二人の結婚式を滞りなく完了させていただきました。

(完)


747 名前:ははこん! ◆owtmEA7yWo 投稿日:2012/02/16(木) 17:51:41.82 ID:p3USfi3N 
お目汚し失礼しました。それではまたいずれ。

18:22 : 2ch > NTR(寝取られ,寝取り) : comments (7) : trackbacks (0)
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Comments

個人的に母親寝取られはどうにも来るものがない
あるとしても切なくなるだけなんだよなぁ 興奮はできない
設定は結構好きだよ
...2012/02/18 06:43 PM
こういうのもいいな
...2012/02/18 07:14 PM
ちょっとちょっとちょっと……肝心の場面が描写されてないじゃないのよう!!
この猛り狂った欲棒をどう鎮めればいいの!?あんた尻かしなさいよ!!今すぐ!!
...2012/02/18 07:18 PM
いいぜ
ほらよ*
...2012/02/18 09:37 PM
母寝取られが大好きな自分としては最高のストーリーだ
あとは肝心のシーンの描写さえしてくれれば問題ない

いやそれを同人ゲーとして発売してくれ
...2012/02/19 08:37 AM
>組み敷かれ、貫かれ、汗まみれになって喘ぎ、よがり声を吹きこぼす母さんの牝の表情すらも。
そのシーンも書いてほしいな。
...2012/02/27 08:18 AM
続編も是非御願いしたいな。
...2012/02/27 08:19 AM

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