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879 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2011/09/18(日) 15:57:39.47 ID:YgiknT83
○登場人物
俺……28才、電気量販店店員
彼女(Y子)……20才、大学3年生

2011年3月
俺と彼女(Y子)が知り合ったきっかけは。Y子が俺が働く店にキャンペーンガール
として来たことだった。販売部署によっては、キャンペーンガールが大量に
送られてくることもあり、社員はかなり役得だったりする。キャンペーンの子は
基本的には派遣なので、こっちが教えることとかはあんまりないんだが、休憩時間
合わせたりとか客に質問されて答えられない時とかに助けてあげたりとかして、
接する機会は多かったりする。

だから、本当は禁止されているが、要領のいい奴はキャンペーンガールの女の子
と遊んだりすることも多い。一人の子が同じ店にずっと来ることもないので、
後腐れなく遊べるということもあるんだろう。俺は、今までそういう子と遊んだことは
なかった。就職する前から彼女がいて、浮気をするつもりもなかったし、二年前に
彼女と別れてからは、逆に意識しすぎて、手は出せなかった。同僚の中には
どうせヤリ捨てなんだからと言う奴もいたが、俺はそこまで割り切れなかった。

そんな俺がY子と出会ったのは今年の3月のことだった。
キャンペーンコスチュームの白いミニワンピを着たY子は、色白で長い黒髪、
少し女優の石原さとみに似た感じの笑顔が可愛い女の子だった。背も高く
すらりとしたモデル体型で、この仕事には珍しく口調もしっかりした大人しそうな
タイプの子だった。聞けば、友達に誘われて春休みのバイトとして始めたそうだ。
それでも、普段は飲食店でバイトをしているので、接客には慣れていて、すぐに
仕事に馴染んだ。

多分、一目惚れだったと思う。仕事中もずっとY子のことばかり気になってしまった。
同僚も俺のそんな態度にすぐ気付いて、誘ってみろよとかメルアド聞けとか言われた
が、なかなか踏ん切りがつかず、そんなんじゃないからと誤魔化して見せた。しかし
仕事の範囲では、Y子と接する機会を少しでも多く作ろうとしていた。昼休みの
時に少し話をしたりもして、Y子のことを少しずつ知っていった。京都出身で
少し関西弁なこと、大学では教育学部で教師になるのが夢なこと、アメリカのドラマ
が好きで休日は部屋でずっと見ていること。


二週間が過ぎて、Y子がうちの店に来る期間は終った。結局連絡先は聞けずじまい
で、心には大きな喪失感だけが残った。今更ながら、何で聞かなかったのか、
メルアド聞くくらいみんなやってることなのに、と深い後悔の念だけが押し寄せてきた。
しかし、あれだけ可愛いんだから、彼氏もいるだろうし、俺みたいに年の離れた男
に興味なんて最初からないはずだと自分に言い聞かせて苦い思いを胸の奥にしまい込んだ。

2011年4月
4月の初旬、同僚の男(K)からBBQに誘われた。Kはいつものようにキャンペーン
に来た女の子の連絡先を聞いていて、その子達とのBBQを企画したらしい。家電
量販店は基本的には平日休みで同僚同士で休みを合わせるのはなかなか難しい。
今回、なぜ休みの合わない俺を誘ったのか聞くと、Kが誘ったのはY子と一緒に
来ていた女(K美)で、K美がY子を誘ったところ、Y子が俺が来るかどうか聞いた
とのことだった。

俺は有頂天になった。その日休みの別の同僚に頼み込んで、休みを代わってもらい
KにBBQに行くと告げた。Kは俺がY子に気があることを知っていたので、
担がれているのではないかとも思ったが、KがK美から聞いた話によると、
Y子は今年の1月に彼氏と別れて、今はフリーのようだった。思えば、俺はY子に
恋人がいるかどうかさえ聞けていなかったのだから笑ってしまう。むしろ、K美から
Kに俺に彼女がいるか聞いてきたとも言われ、俺はますます舞い上がった。

ちなみに、俺は前の彼女と二年前に別れてから、彼女はいない。身長は180cmで
髪は短髪、少しいかつく見られたり、遊んでいる風に見られることもないではないが
見た目はそんなに悪い方ではないと思う。ただ、出会いを求める場に行くのが面倒
だったり、口説くことが億劫になるうちに、女っ気がなくなり、いつの間にか二年が
過ぎた。その間の処理は、もっぱら風俗だった。そんな俺に、今最大のチャンスが
訪れようとしていた。このチャンスを絶対にモノにしてやる、と久し振りに熱くなる
自分に気づいた。


4月14日
BBQの日。天気は快晴だった。車で買出しに行き、それからBBQ場のある
河川敷に向かう。KはBBQに慣れており、料理も結構本格的に作ったりする。
俺はKから駅まで女の子を迎えに行くようにと言われて、迎えに行った。駅に行くと
女の子は全部で3人。本当は4人来るはずだったが、1人は体調不良で来られなく
なったそうだ。久し振りに会ったY子は、やはり最高に可愛くて、頬がにやけ
そうになるのを抑えるのが大変だった。K美が気を利かせてY子を助手席に座らせた。

BBQ場に着くと、男の方も全員揃っていた。俺とKの他に同僚1人、Kの友人
2人の計5人。KとK美はカップル確定として、残る女の子2人に男は4人。
他の男がY子に話しかけるのを見ていると不安になるが、俺もこの日ばかりは
積極的にY子と話した。Y子は家庭的な雰囲気に似合わず、料理は苦手なようだ。
むしろ派手な感じのK美の方が包丁捌きなんかはしっかりしていた。Y子はお酒が
得意じゃないらしく、お酒はほとんど飲まなかったが、BBQが楽しそうで、普段
よりテンション高めでよく笑っていた。

俺は、帰りは運転はないので、酒の助けを借りて勇気を振り絞り、Y子のアドレスと
携帯の番号を聞いた。Y子は「やっと聞いてくれましたね」と冗談っぽく言って笑い
俺も照れ隠しに笑った。

2011年6月
……些か、冗長になってしまった。先を急ぐとしよう。
6月になって、俺とY子は付き合うことになった。それまでの過程を語りだせば
きりがなく、それなりにいろいろあった。ゴールデンウィークにデートした時には、
彼女の部屋まで行きながら、何も出来なかったり。それから、なかなか予定が合わず、
デートが出来ずにこのまま自然消滅かという時もあった。俺は実家住まいで、彼女は
一人暮らし。彼女の家と俺の家は片道一時間半くらいかかる。俺は仕事柄週末は
ほとんど休めないが、彼女は学生で土日が休みのため、休みも合わない。

しかし、これらの障害を乗り越えて、6回目のデートで初めて俺たちは結ばれた。
場所はそんなに高くはないが、ちゃんとしたシティホテル。そこのレストランで
食事をして、部屋に誘った。最初からそういう気と思われそうで恥ずかしさもあった
が、そんなことも言ってられない。既に抱き合ったり、キスしたりしたことはあったので
Y子のスタイルの良さは分かっていたし、俺自身もう我慢の限界だった。


最初のセックスはスムーズに終えた。年上の自分がリードしなくてはと緊張して
しまったが、彼女は意外なほどリラックスして甘えてきた。その日は少しお酒を
飲んでいたから、Y子も酔いに助けを借りたのかもしれなかった。俺は少し前戯
した後、正常位で繋がり、果てた。早い方だと以前から自覚はあるが、この時は
いつにもまして早かった。恥ずかしさで視線を逸らして
「ゴメン……ちょっと、早かったよね」と謝ると、Y子は
「そうかな?私も気持ちよかったよ。」といつもの笑みをくれた。

その後、抱き合ったまましばらく休んでから、名誉挽回とばかりに、再びY子に
挑みかかった。一度して恥ずかしさもなくなったので、さっきよりも念入りに
前戯をしてから、再び正常位で挿入した。Y子の細い太腿を抱え、腰を打ちつけ、
Y子の求めに応じてキスをする。Y子の甘い唾液と柔らかな舌の感触に頭を真っ白に
なってしまい、不意に訪れた射精感の高まりに身を委ねた。一度目よりはもった
方だが、それでも5分足らず。Y子が満足してくれたか不安を覚えつつ、Y子に額に
キスを落としてから
「シャワー浴びてくるね」と言ってベッドから降りた。

抱いた後、ますますY子のことが好きになった。そして、男としての正直な感情は
これからはいつでもこの若く瑞々しいY子の身体を抱けると思うと、堪らなく幸せだった。
Y子を横に連れて歩くと、Y子に視線が集まるのを感じる。こんな美人と付き合っている
こと自体に優越感を感じることが出来た。俺は勝ち組だ、そう思っていた。



Y子と付き合い始めて、約3ヶ月。久し振りの幸せな日々。前の彼女とは6年くらい
付き合ったんだが、後半3年くらいはほとんどレス状態だったので、セックス自体
すごく新鮮に思えた。と言っても、会うのは、週に1〜2回。食事だけの時も
あったりなので週に一度するかしないかだが、俺は十分満足だった。Y子は、意外に
というか、大人しそうな見かけによらず結構したがりで、一度で満足することはなく、
大抵は二回目、三回目をねだられた。俺も頑張ってはみるけど、年のせいなのか、
立ちが悪く応えられないことも多い。仕事もあるので、なかなかY子の部屋に泊まる
ことも出来ず、せいぜい二回戦まででギブアップで終わりにすることが多かった。

2011年9月4日
Y子の携帯を見たのは、その日が初めてだった。Y子の部屋に遊びに行き、DVDを
一緒に見ていた。すると、Y子がコンビニに行くと言い出し、俺も一緒に行こうと
言ったがが、仕事で疲れてるんだし、待ってていいよと言われたので、大人しく
待つことにした。その時、Y子の携帯が目に入ってしまった。彼女とはいえ、携帯を
見るのはマナー違反というのは、百も承知だった。前の彼女と付き合っていた頃は
もちろん見たことないし、彼女の携帯をチェックする奴のケツの穴の小ささを鼻で
笑ったりもしていた。

しかし、一度気になり出すと気になって仕方がない。Y子とは会える時間も限られて
いるし、普段誰と何をしているかはほとんど知らない。人目を引く容姿に性格もいい
Y子に変な虫がついていないか不安がないと言えば嘘になる。少しだけ見てみようと
Y子のスマートフォンを手に取った。

メールをざっと見た。フォルダ毎にメールは振り分けられていて俺からのメールは
「彼氏」という専用フォルダに保存されていて、思わずにんまりした。その他には
「大学」や「バイト」、「家族」、「親友」といったフォルダを開き、メールを確認する。
男からと分かるメールもあるが、ごく普通の友人同士のやりとりと分かるもので
ホッと胸を撫で下ろす。当然、全てのメールをチェックする時間はないし、本気で
浮気を疑っているわけではないから、すぐに満足して携帯を元の場所に置こうとすると
Y子のスマートフォンがちょうどメールを受信した。

そのメールは携帯のアドレスに届いたものではなく、ヤフーのアドレスに受信した
ものだった。スマートフォンの画面に受信1通とある。送信者はS(仮名)とだけあり、
誰かは分からない。新着メールなので、開いてしまえば、俺が見たことが分かって
しまうので、内容を確認することは出来ない。しかし、件名にはReとあり、何度か
Y子からのメールの返信であるのが伺える。その時、鍵穴に鍵が差し込まれた音が
聞こえ、Y子のスマートフォンを元あった場所に戻す。


コンビニの袋から買って来た物を出し終え、Y子はクッションの上に寛ぐと、携帯
をチェックし始める。俺はさり気なさを装いつつ「メール?」と聞くと、Y子は
ごくごく普通に「うん、また迷惑メール」と答えて、いつもの笑みを俺に向けると、
携帯を絨毯の上に置いた。きっとさっき携帯を見ていなかったら、そのまま聞き
流していただろう。しかし、さっき見たメールの件名には確かに「Re」とあった。
迷惑メールではない。じゃあ、一体誰からのメールなのか。その後、セックスを
して、俺は彼女の部屋を出て帰宅した。胸の奥に、初めてY子への微かな疑念の芽が
芽吹いていた。

9月5日。
仕事を終えて家に帰る。この日は早番だったため、20時前には家に着き、自宅で
夕食を食べる。食事を済ませ、風呂に入ってから自室に籠り、昨晩から考えてきたことを
実行に移す。Y子のヤフーのアドレスは知っていた。最初に赤外線通信で送って
もらった時に一緒に登録されていたのだった。もちろん、昨日のメールの送信先が
このアドレスではないという可能性もあるが、おそらくはこのアドレスだろう。

アドレスさえ分かれば、後はパスワードだ。誕生日をパスワードにしていれば、
ログインできるかもしれない。本当はこんなことをしてはいけないということは
よく分かっているが、機械的にパスワードを幾つか試していく。試しながら、
きっとムリだろうとは心のどこかで思っていた。しかし、何かしないでは
いられなかった。ほんの僅かな疑念の芽も早く摘み取ってしまいたかった。
摘み取れないのなら、それはそれでいい。やるだけのことをやって駄目なら忘れる
までだ。そもそも、疑念という程の大したことでもない。ただ、単にSという奴から
件名にReとあるメールが届いただけだ。Y子の言ったとおり、本当にただの迷惑
メールかもしれないのだし。

そうこうしているうちに、ログインに成功した。その瞬間、手が震えてきた。入力
する前に書いたメモを確認すると、パスはY子の誕生日を逆にしたものだった。
つまり、日にち、月、生年(西暦)の8桁の番号。ログインしてみて改めて自分の
したことの恐ろしさに吐き気を催す。ヤフーのメールにログインするとログイン履歴
が残る。これをもし見られたら、Y子は異変に気付くだろう。しかし、ログインして
しまった今となっては後悔するにはもう遅い。とりあえず、昨日のメールだけ
確認しよう。それだけ確認したら、ログアウトして、二度と見ることはしない。
そう誓って、受信箱を開くと、そこは上から下までSからのメールだった。その光景に
早くも怖気づき、メールを見たら全て終わりになるという予感に怯えながらも、
恐る恐る一番新しいメールを開いた。


2011年9月5日午前1:21
Re

ちゃんと報告出来てエライぞ。
今回もフェラはしてないんだな?
そろそろ俺が仕込んだテクを彼氏に味合わせてやっても
いいんじゃないか?
次、抱かれる時は、彼氏にフェラしてみろ。
報告も忘れずにな。

おやすみ

2011年9月5日午前1:38
Re

うーん、彼は私がそうゆうことする子って
思ってないからな〜いきなりしたら引かれそう〜

でも、Sさんの命令なら、頑張ってしてみるね♪
彼と次会えるの、いつかまだ分からないけど……
決まったらメールします。

ではでは、おやすみなさい〜


そのメールに頭をガツンと叩かれる思いで、しばらくメールの文面から目が離せない
コレハナンダ……。すぐに送信済みメールを開いて、一番新しいメールを確認する。
送信メールを見て、俺は放心状態となって頭の中を渦巻く様々な感情に身を委ねた。

――どれくらいそうしていたか。時計を見ると、22時を過ぎている。もう30分も
ぼーっとしていたようだった。もう一度受信箱に戻り、メールを眺める。昨日だけで
10回もメールの往復をしている。その前のページも、Sからのメール、その前の
ページも、その前も……。ページを戻っていくと、Sとのやり取りが始ったのは、
今年の8月からだった。最初にメールをしていたのは、Y子の方からだった。


2011年8月8日午後20:32
久しぶり〜

Sさん元気?Y子です。
一年半ぶりくらいかな?
携帯のアド変えたんだねー、番号も違うみたいだし
未練がましく、このアドレスにメールしてみました。
返事来るかな?

来週帰省するんで、もし、会えたらなぁなんて思って
メールしてます。うざかったらスルーして下さいm(_ _)m

ではでは、返信期待しないで待ってます。


2011年8月12日午前10:17
Re

久しぶり。突然のメールでびっくりしてる
Y子の方から会いたいなんて言ってくるなんて意外だな
あんな終り方で、悪いとは思っていたが、むしろ何も言わない
方が、Y子も俺のことなんか忘れて新しい生活に踏み出せると
思ってた、言い訳だけど

帰省するのはいつからだ?着いたら連絡くれ
飯でも食おう

090-0000-0000


それを皮切りに2人のメールのやり取りは続いた。
一度は、携帯のアドレスでやり取りしようということになったのだが、Y子に彼氏が
いる(俺のこと)と聞いたSが、携帯だと見られるかもしれないと言って、このまま
フリーメールのアドレスでのやり取りに落ち着いたようだ。その後のメールは全て
見た。メールの文面を全て理解することを頭が拒否するのか、さーっと流し読みすると
じっくり確認することなく、すぐに次のメールに行く。

本来なら、そのメールの文面を全てここに書くのがいいかもしれない。それを全て
読まない限り、俺のこの時の気持ちは理解出来ないだろう。いや、全て読んでも理解
出来ないには違いないのだが。要点を書けば、大体こんなことだ。投げやりに見えたら
すまない。しかし、投げやりにもなるだろう。

Sというのは、Y子が高校時代に付き合っていた男、バイトの先輩?
SとY子は高校時代やりまくっていて、SはY子にいろんなことを仕込んだらしい
Y子はSの車の中でSにフェラをよくしていた
Sの性器は天狗の鼻のように長く反り返っている
二人は帰省した時に会ってセックスした
二人はTELHをしている
Y子は俺とのセックスの内容をSに報告している。俺とのセックスについてY子は
やっぱり早いと感じているらしい。あと、演技をしているとも言っている。
SはY子に次の俺とのセックスで自分からフェラするよう命令している←今ここ


メールにはかなり直接的な表現やエロイ言葉も使われており、もしメールの文面だけ
見たら、とてもY子の書いたメールとは信じがたいものだった。ただ、ところどころに
Y子の俺に対する愛情みたいなのも書かれていて、その部分は灼熱の砂漠の中の
オアシスのようにも感じられた。しかし、僅かに喉の渇きを潤せても、それは一瞬の
ものでしかない。特に、こんなメールの文面を見ると、今後が思いやられる。


彼氏に求めるのはやっぱり性格の良さとか外見とか生活力とかかな
エッチは、よければいいなあとは思うけど、エッチの不満は我慢できる
最悪、エッチは彼氏じゃなくてもいいんだし


前後のメールから本気で書いたわけではないと察するが、これはY子の堂々たる
浮気宣言にも見えた。もちろん、Y子は俺がこのメールを読んでいるとは気付いて
いないはずだが。とりあえず、全てのメールをコピーして、一旦ログアウトした。
時計はもう24時を回っていた。



9月7日
Y子とSのメールを見てから、仕事が手につかない。さっとしか流し読みしていない
はずなのに、メールの文章が頭の中にこびりついて離れない。そして、断片的な文章から
様々なことを思い浮かべてしまう。制服姿の今よりも少し幼いY子がSに車の中で
フェラする姿。帰省し、久しぶりに会った二人が求め合う光景。Y子がSの俺よりも
長く反り返った性器に立ったまま背後から貫かれて上げる俺には聞かせたことの
ないような悦びの声。そんな光景は見たことないはずなのに、頭の中にはっきりと
描かれ、声が耳の奥に響きわたる。

実は、5日の夜、俺はSとY子のメールを見ながら、二回ヌイていた。こんなに
興奮するのはY子との初めての夜以来だった。正直に言おう。俺は自分の彼女が
他の男に抱かれている姿を想像して興奮していたのだ。自分自身がY子を抱く時
以上に。

そして、今日7日の朝。Y子からメールが来た。今日部屋に来ないかという誘いの
メールだった。俺は明日は仕事が休みだ。Y子に、今日は遅番で遅くなるけど行く
と伝え、泊まってもいいか聞いた。Y子からはすぐに了解という返信が来た。
今頃、Y子はSに報告のメールしているのだろうか。

付き合って以来、Y子は積極的に俺に会いたいと言い、会えないと寂しいと言った。
そんな素直に自分の気持ちを表現するY子を可愛いと思ったし、会いたいと言って
くれるのが嬉しく思った。逆に、俺は自分も会いたいのに、変に大人ぶった態度を
示したりした。そして、職場の同僚には、若い彼女と付き合うと大変だよ、なんて
笑って見せて、羨ましがる同僚の視線に優越感を覚えた。

しかし、今ではそんなY子の素直な感情も、全て疑わしく思えてきた。可愛い彼女が
出来て自慢している自分が惨めだった。セックスで満足させることが出来ず、昔の
彼氏にそんなセックスの内容を報告され、さらにはフェラするように命令までされて
いる。とんだ間抜けなピエロだ。しかし、そんな風に自虐的に思えば思うほど、
いつもと違う興奮が身体を熱くする。果たして、Y子はSに言われたとおり、俺に
フェラをしてくれるのだろうか……。


23時過ぎ。Y子の部屋に行った。Y子から「おかえり〜」と言われて部屋に招き
入れられると、まるで新婚家庭のようで面映い気持ちになる。Y子は今日は一日中
部屋に居たらしく、タンクトップにショートパンツというリラックスした部屋着姿
だった。1日同じ服を着ていたのか、何となく普段よりY子の汗混じりの甘い香りが
感じられた。長い手足は日焼け知らずで白く無駄な肉が付いていない。少し痩せすぎ
な気もするが胸は意外とある。Y子の部屋に入っただけで、Y子の甘い香りに包まれ
るようで興奮してしまう。俺はシャワー借りると言ってユニットバスに入った。
股間はすでにビンビンだった。

冷たいシャワーを浴びても、股間は収まらない。思えば、この日はY子にフェラして
もらえるという興奮で、ずっと収まりがつかずにいた。あの口に男の性器を咥える
なんてと思うと、腰から力が抜けそうになる。キスの時の舌使いを思い浮かべ、可愛い
舌で舐められたらと想像すると、自分の彼女なのに何だかいけないことを想像している
気分になる。こんなことならどこかでヌイてから来ればよかったと今更ながら後悔する。
どう考えてもすぐにイッてしまうに違いない。

ユニットバスから出ると、俺用の部屋着とタオルが置いてあった。Y子はテレビを
見ていて、こっちに背を向けていたので、安心して身体を拭いて部屋着を着る。
股間はまだ半立ち状態で少しの刺激ですぐに立ってしまいそうだ。俺は冷蔵庫にさっき
入れたばかりの買ってきた缶ビールを取り出して飲み始める。Y子はそれを見ると
私も飲んじゃおうかなといってサワーか何かの缶を取り出して飲み始めた。

Y子は酒が弱い。外で食事をしてもほとんど飲まない。飲むと目がトロンとしてくる。
そして、多分エッチな気分になるのだろう。俺はそんなY子の変化に気付きながら
どうしていいか分からず缶ビールを傾ける。Y子がフェラをしてくるとすれば、どんな
風にだろうか。このまま待っていればいいのか、それとも俺から促したほうがいいのか。
俺が2本目の缶ビールを冷蔵庫に取りに行き、ソファに座ると、クッションに座って
いたY子がにじり寄ってくる。ちょうど俺の右足に縋りつくようにして俺の膝に顔を
寄せると、上目で見上げてくる。やばいくらいに可愛い。股間のものは隠しようもない
ほどに立ってしまっている。

俺がY子の頭を撫でると、Y子は気持ち良さそうに俺の太腿に頬を擦り付けてくる。
しばらくそうしていると、Y子が俺の身体を上ってくるようにしてソファに上がる。
近づく顔、そして、キス。Y子を抱きしめると、Y子は下着を付けていなかった。
Y子の手が俺の股間に伸びてくる。顔を離して、どうしたの?というように瞳を
覗き込むと、Y子は恥ずかしそうに、「舐めたい」と言った。俺は嗜めるように
「そんなことしなくていいよ」と言うと、Y子はむずがるように、「したいの」と
言って、さらに手で部屋着のパンツの上から俺の股間を撫でてくる。俺の股間は
もうパンパンでしなくていいなんて言葉には全く説得力はなかった。


俺は期待で胸を高鳴らせながら、「じゃあ、いいよ」と言った。前の彼女はフェラを
全くしなかったので、俺が経験したことのあるフェラは風俗だけだ。それで知ったのは
フェラにもうまいと下手があるということだ。そして、今回Y子がフェラしようと
した時に感じたことは、好きな女にされるフェラというのは、また違う感動がある
ということだ。自分のために、こんな可愛い子がその口に自分の性器を含んでくれる
ということは、ものすごいことだ。その時、俺はY子が俺にフェラするのはSに命令
されてのことだとすっかり忘れていた。

俺はパンツを脱いでY子のしたいようにさせると、Y子はソファの上に俺の方を
向いて座り、軽く握って舌先を亀頭に近づけた。びくんと腰が震え、Y子の頬に
先端を濡らした亀頭が当たる。ごめん、という声も出せない。今、声を出したら
相当情けない声になるはずと思った。俺はY子の背中を撫でた。頭を撫でようとする
とイヤなのか頭を軽く振った。Y子はカウパーが滲んでいるのも構わず、舌で亀頭
全体を嘗め回した。ぬるぬるした感触で舌先が敏感な部分に触れると堪らなくなる。
やがて、Y子は徐にという風に俺の亀頭を口に含み、根元を握った手とシンクロ
させて唇と手で俺のものを扱き始めた。

それから1分も持たなかった。フェラというより手コキが気持ちよすぎて、すぐに
我慢出来なくなってしまった。無謀にも堪えようとした結果、射精することを告げた
のは、出す直前だった。さすがに驚いた様子のY子が口を離した直後、俺のモノから
噴水のように盛大に精が吐き出され、Y子がティッシュを用意する間もなく、精液は
俺の部屋着を汚し、慌てて手で受け止めようとしたY子の手を汚した。

こんな情けない思いをしたのは、恥多き人生でも初めてのことだった。俺の射精は
永遠とも思えるほどに長く続き、ようやく終るかと思っても思い出したように噴き
出した。俺は自分で何とかしなくてはと立ち上がろうとすると、Y子は俺の肩を
抑えて座っててと言った。俺は大人しくそれに従い、Y子はドレッサーから
ウエットティッシュを取ってきて、俺のふにゃっとした性器を丁寧に拭いてくれた。
何も言わずに拭いてくれたことが有難かった。そして、着ていたTシャツも脱がせて
もらい、洗い物の籠に入れると、Y子は俺にいつもの笑みを向けてくれた。
言うべき言葉も何もない俺にY子は
「すごかったね、ちょっとびっくりしちゃったけど……」と恥ずかしそうに言うと
ユニットバスに入った。シャワーの水音が聞こえてくれば、Y子の身体にも精液が
かかってしまったのだと分かり、申し訳ない気持ちで一杯になった。言い訳をすれば
この日は会いに行くと決まってから、興奮しっぱなしだった。Y子のフェラを想像する
だけで何度も立ち、収まりを繰り返したのだ。そんな高まりきった期待の後に、
ついにしてもらったフェラですぐにイッてしまったとしてもそれは仕方ないのではないか。

しかし、そんな言い訳をY子に出来るはずもない。本当は泊まって行くつもりだった
が、こんな恥ずかしい気持ちで一緒にいるのは耐えられない。Y子が出てきたら帰ると
告げよう、電車はもうないが、最悪漫画喫茶でもいいと思い、Y子が出てくるのを待った。


――ついつい長くなってしまった。ここからは端折ろう。
結局、この日は帰らなかった。帰れば、Y子に余計気を使わせることになるし、
俺としても不自然にならない言い訳がなかったからだ。ユニットバスから出てきた
Y子は3本目の缶ビールを飲みながらテレビを見ている俺に近づくと、「また今度
してもいい?」と殺人級の笑顔で言い、俺は黙って頷いた。にやけ顔を抑えること
に失敗したのは分かっている。

二人でベッドに行き、俺はお返しとばかりにY子を責めた。ただただ、ひたすら
Y子の感じる部分を舐め回し、撫で回し、執拗にクンニをした。クンニはあんまり
するとY子が恥ずかしがるので普段はあまりしないが、この日はY子の腰を抱き
抱えてひたすら舐めまくった。Y子の太腿に顔を挟まれる至福を味わいながら、
Y子の絶頂の声を聞いた。これも演技なのだろうかと思いながら、挿入しようとする
と俺の性器はなぜかすっかりやる気を無くしていた。Y子は優しすぎる表情で俺を
見詰め、「明日休みなんだし、また明日しよ。」と言ってくれた。ベッドの上では
年齢が逆転してしまっているようにも思える。Y子はこれまでどれだけの男に抱かれて
きたのだろうか。Y子が3人目の彼女(風俗以外)という俺は経験値では叶わない
という諦めの境地に達し、Y子の腕の中で安らかな眠りについた。


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